日本の玉露、かぶせ茶、煎茶、番茶などの緑茶の違いは、葉そのもの、つまりその栽培、収穫、そしてその結果として生じる風味を通して最もよく理解されます。
煎茶自体は、若い葉を摘み、蒸し、揉み、乾燥させたものを指す広い定義を持っています。この定義には、高級煎茶である玉露やかぶせ茶が含まれますが、番茶は含まれません。番茶は煎茶と同じように加工されますが、大きく成熟した葉を使用します。
若い葉は番茶よりも繊細で、豊かで複雑な植物の風味を持ち、L-テアニン(鑑識眼のある人が好む風味豊かな「うま味」を生み出すアミノ酸)を豊富に含んでいます。一方、番茶にはうま味がほとんどなく、渋みと苦みが際立つ力強い味わいです。
煎茶のより狭い定義は、玉露やかぶせ茶と区別するものです。この定義では、煎茶は遮光されていない茶葉であり、うま味成分が豊富な遮光された茶葉である玉露(約20日間遮光)やかぶせ茶(10~14日間遮光)とは対照的です。
実際の生産において、玉露とかぶせ茶の味を決定づけるのは日数ではなく、うま味の強さであり、その強さは施肥などの他の栽培要因によっても左右されます。有機栽培の玉露が希少な理由の一つは、有機栽培の要件により、農家の施肥技術が制限されていることにあります。その結果、3週間日陰で育てられた葉は、玉露と呼べるほどのうま味を帯びていないことがよくあります。
かぶせ茶も、うま味が強ければ低品質の玉露と言えるでしょう。
決まった定義というよりは、これらの 3 つのお茶をうま味の段階として考えてみるとよいでしょう。
煎茶→かぶせ→玉露
最もうま味が少ない –> 最もうま味がある
このように段階的に考えると、ブレンドの作業も意味をなしてきます。煎茶の質を「高める」には、かぶせ茶などの遮光した茶葉を加える(あるいは、煎茶を4~7日間遮光する…これはかぶせ茶にはなりませんが、旨味が増します)。逆に、玉露の量を増やすには、かぶせ茶や煎茶を加える、といった具合です。